断熱材の厚さに騙されてはいけない
2019.10.16:
住宅建築会社のセールストークの中にこんなのもあります。
「当社ではこんなに厚い断熱材を入れますのでで冬暖かいですよ!」
しかし、断熱材が厚ければ断熱性能が高いという訳ではありません・・・
それぞれの断熱材には熱伝導率という熱の伝わりやすさを示す数値があり、熱が伝わりやすい断熱材では厚さが2倍になっても断熱効果はそれ程高くならないのです。
例えば、ウレタンなどの硬質断熱材の場合は熱伝導率は0.02~0.025位が多く、グラスウールなどの繊維系の断熱材は0.035~0.04位になります。
つまり、100ミリのウレタン断熱の性能と200ミリのグラスウール断熱の性能はほぼ同じになるのです。
グラスウール断熱を否定する訳ではありませんが、重要なのは熱伝導率なのです。
しかし、このような問題を一般の方が理解するのは難しいので簡単な方法をお教えします。
断熱厚さを熱伝導率で割ると断熱力が算出されますので、この数値が大きければ大きい程、断熱する力が大きくなります。
例
グラスウール100ミリ熱伝導率0.04の場合
0.1M÷0.04=2.5(100ミリは0.1メートル)
ウレタン100ミリ熱伝導率0.025の場合
0.1M÷0.025=4.0
同じ断熱厚さでも2.5の断熱力と4.0の断熱力となり、このケースではウレタンの方が断熱力が高い事が証明されます。
このような計算をすれば簡単に各社の断熱力を比較出来ます。
私は住宅オタクなので、断熱材の全ての部位について手計算で熱の損失などを算出出来ます。
もちろん、Q値計算や換気による熱ロスも全て計算しています。
こうした基礎知識がないと断熱について語る事は出来ません・・・