勘違いしている経営者
2024.04.12
昨今の世の中では物価上昇圧力が高まり、全てのモノの価格が上昇しています。
電気料金、食料品、ガソリンなど例外なくモノの価格は上がっています。
価格上昇の要因は円安によるものとコストプッシュ型のインフレのように感じます。
もちろん住宅の建築価格も上昇しており数年前に比べ2割以上価格が上昇しています。
製造原価の上昇により販売価格を上げ価格転嫁出来ていれば何の問題もないように感じますが、実はそうではありません。
例えば2500万円の住宅を年間12棟建築する建築業者があった場合
2500万円×12棟=3億円の売り上げとなります
この会社の製造原価は上がり価格転嫁して3000万円の住宅を10棟建築したとします。
3000万円×10棟=3億円の売り上げとなり売り上げ自体は以前と同じなので利益率が同じなら利益も同額になります。
これなら何の問題もないと考えるのは三流の経営者です。
その理由は、売り上げや利益が同じでも施工棟数が2棟減っている点が問題です。
現実的に数字上は何の問題もないように感じますが、12棟施工出来る会社が10棟になるという事は施工能力に対しアンダーパフォームしており会社のパフォーマンスを十分に発揮出来ていません。
つまり、施工能力は12棟あるものの10棟の施工では力を余しており非効率であるからです。
「棟数が減っても売り上げや利益は変わらないから大丈夫!」と考えているようでは経営者として失格だと私は考えます。
このような考えでは今後「今期は8棟で来期は6棟か・・・」という未来が待っています。
棟数減の大きな要因は価格転嫁である事に気づく必要があるのです。
価格転嫁しなければ会社の利益が確保出来ない時代に入っていますが、私は出来るだけ価格転嫁したくない派の経営者です。
当然利益率は落ちますが、知恵と企業努力によって施工棟数を減らす方向へ舵は切りません。
会社から見れば少ない利益というデメリットなのかもしれませんが、お客様から見ればバリュー感のあるお買い得なプライスに感じるのです。