建築で最大級レベルの事故
2023.09.21
今週19日東京駅近くの大型建築物の建設現場で大きな事故がありました。
内容はニュースで報道されているので皆様もご存じかと思いますが、鉄骨の建て方作業中に梁が落下し作業員2名が死亡する大きな事故でした。
落下した梁は5本で総重量は48トンあったようですが、これ程の高重量の建築資材が落下するという事故は建築業界では考えられない最大級の事故だと感じています。
私もゼネコンに勤務していた時に鉄骨の建て方作業を経験していますが、柱や梁の重量は3トン5トンのレベルであり50トン近い梁が落下するとは誰も予想していなかったと推測出来ます。
しかし予想していない事が起きるのが事故であり、こうした事態も予想する必要があったのかもしれません。
現実的に私達も木造建築物の建て方作業で梁をクレーンで吊って柱や梁と接合させますが、接合部分は仮止めで作業を進める習慣があります。
この接合部分は羽子板ボルトという緊結材で最終的には固定しますが、建て方作業終了後に羽子板を取付するので建て方作業中には羽子板はない状態で作業が進みます。
一般的には木材の端部は蟻仕掛けやホゾという細工がしてあり簡単には外れないようになっていますが、もしもこうした仕掛けが外れたとしたら木造の梁も落下する可能性があります。
作業の効率化を最優先するあまり安全が疎かになる可能性があるので、私達ももう一度作業の手順を見直す必要があるのかもしれません。
どれだけ安全に作業を進めていても事故はゼロになりません。
墜落や落下事故の代償は大きく作業員の命を奪う可能性があるのも事実です。
住宅建築業者の責任の重さを再認識したのが今回の事故でした。