木材はどれも同じ?
2023.05.22
木造住宅で使われる構造材や羽柄材にはいくつかの樹種があります。
国産の杉やヒノキなどやアメリカから輸入される米松、ロシア産の赤松やカラマツなどがあります。
国産の杉は柱に採用されるのが主流ですが、最近では輸入木材の高騰により梁として使われるケースもあります。
杉は米松に比べ曲げ強度が少し劣るので、梁のサイズを数センチアップすれば梁として使うのは問題ありません。
国産のヒノキは土台や柱として使われますが丸太の大きさが小径な為、梁などの大きな部材には不向きです。
米松は大木なので梁に採用されるのはもちろん、根太や垂木など幅広く使えるので用途が多彩な木材です。
ロシア産のカラマツや赤松は、天井の下地材などに使う野縁が一般的でカラマツはベニヤ(合板)として利用されています。
木材は一見どれも同じように見えますが、適材適所で利用する事により強度が確保されています。
しかし、近年の木材価格の高騰は住宅建築業者にとって頭の痛い問題です。
木造住宅の製造原価を下げるべく樹種の変更なども視野に入れる必要もあります。
柱をヒノキから杉に変えたり、米松の梁を国産の杉にするなど様々な方法でコストダウンする方法もあるので柔軟に対応しています。
もちろん樹種変更により強度が落ちないよう木材のサイズアップは必須です。
約26年間木造住宅を建築していますが、これ程木材の価格が高騰したケースは記憶にありません。
樹種によっても異なりますが、ウッドショック以前の1.5倍~2倍に跳ね上がっている木材もあれば、3倍の価格になった時期もありました。
世界の需要と供給のバランスや円安、輸送コストの上昇など複数の要因により木材価格が高騰しているのが現状です。
もしかすると、今の木材価格がスタンダードになる時代へ入るのかもしれません。