木材の価格高騰から下落局面へ
2023.04.27
木材の価格は数年前から高騰し続けていましたが、世界の需要減により少しづつですが木材価格は下落傾向にあります。
いわゆるウッドショック言われる木材逼迫から始まった木材価格の高騰は、ロシアとウクライナの戦争や輸送コンテナ不足、輸送コストの上昇、円安など多くの要素によって続いていました。
基本的に木造住宅で使われる木材の大半は輸入材であり一部の木材だけが国産のケースが一般的です。
私達が採用している土台や柱は国産のヒノキですが、輸入材の価格高騰に伴い国産材の価格も高騰していました。
梁などの木材はアメリカから輸入する米松ですが、これも価格が上がり続けていましたが昨年から下落しています。
その他には天井下地などで使用する野縁という木材は以前ロシアから輸入していましたが、戦争後ロシアからの輸入が禁じられている為、品物が不足し価格が驚くほど高くなっています。
野縁については3年前は1本350円程度でしたが、ウッドショック以降は500円・700円と驚くような価格に上昇して現在は少し価格が落ち着きつつあります。
それでも住宅の木材価格は数年前に比べ1.5倍近くの金額になっており、1棟当たり100万円以上のコストアップという状況に変わりありません。
こうした現象は弊社だけに限るものではなく住宅建築業界全体の問題であり、私達の力ではどうする事も出来ません。
私が出来る事といえば、経費を削減したり役員報酬を減額する位しかありません。
社員の給与や協力業者さんへの手間賃を下げる訳にはいかないのです・・・
と、ここまでは世界の他動的要因によって住宅の製造原価がアップしているというお話をしましたが、私は全く別の次元で今回の状況を見ています。
このような環境は弊社にとって必然であり、自社の家造りを根本から見直す時期が来ていると感じています。
採用する部材はもちろん、住宅の造り方を1から見つめ直しコストダウン出来る部分は全て手を入れる良い機会だと捉えています。