内断熱VS外断熱の時代は終わったのか?
2022.07.15
今から約20年前のお話ですがお付き合い下さい。
当時私達はウレタン断熱を採用した高性能住宅を建築していました。
床はウレタン断熱88ミリ、外壁面はウレタン断熱105ミリ、天井はセルロースファイバー250ミリ、換気は第三種換気システム、窓は樹脂サッシ+ペアガラスでした。
関東圏でこのような断熱スペックを持つ住宅は少なく、北海道の札幌にある会社からノウハウを教えてもらい建築していました。
この頃から、外断熱という工法が人気になり始め外断熱VS内断熱という工法合戦が繰り広げられていました。
私達が採用した工法も内断熱になりますが、断熱性能が高いため外断熱の標的にはならず、グラスウールやロックウールを採用した内断熱が対象になっていました。
外断熱は、構造体の外側を断熱材で覆う為、断熱欠損がなく断熱性能が向上するというものでしたが、断熱材の厚さが50ミリ程度までが限界となり、現実的には断熱不足だった家がほとんどでした。
断熱不足であれば、住んだ人は快適に生活出来ないので、当時人気のあった外断熱ですが、いつしか外断熱をアピールする会社すらなくなってしまい現在に至ります。
別にグラスウールやロックウールの内断熱が優れていた訳ではありませんが、内断熱VS外断熱の戦いは終わったのです・・・
私はこうした様子を冷静に見ていました。
「確かに外断熱は断熱欠損がなく優れているな・・・」
「外断熱が断熱不足なら、内断熱と外断熱の両方を取り入れれば良いのでは?」と考え、現在私達が造る住宅の原型が出来ました。
あれから20年・・・
断熱の工法をアピールする会社はほとんどなく、現在は見た目をアピールする時代に入っています。
住宅の性能=住み心地なので住宅性能こそがそこに暮らす家族の健康と密接していると考えます。
どんな時代になろうとも高性能住宅を造る考えは1ミリも曲げないのだ!
住宅の性能や住み心地に流行はありません。
家族の健康や長生きにもトレンドはありません。
どんな時代になろうが、人が住宅を造る理由はいくつかありますが一番重要なのは自身と家族の命を守る為です。
こうした人間の考えは、30年後・50年後も変わりないのです・・・
ド定番・ド鉄板の人間の心理に基づき家造りに取り組むのも私達のスタイルです。