丈夫な構造体の造り方
2022.07.3
丈夫な木造住宅の構造体を造るにはいくつかの方法があります。
現在の木造軸組工法は昔の木造軸組工法とは違います。
近年の木造軸組工法は新在来工法とも呼ばれており強度は枠組み壁工法並みに向上しています。
木造軸組工法の構造体を丈夫に造る方法
①土台は緻密で乾燥したヒノキ材を採用する
②柱や梁などは乾燥した杉・ヒノキ・松などを採用する
③土台や柱や梁などの緊結部は適正な金物で補強する
④1階床と2階床は構造用合板を張り水平剛性を高める
⑤筋交いの量は建築基準法をクリアするレベルではなく、配置できる壁の大半に筋交いを十分に配置する
⑥開口部の面積を大き過ぎないようにして耐力壁を適切に配置する
①~⑥までの内容を満たしていれば丈夫な軸組構造が出来ます。
しかし、①のひのき材の採用はコストアップの面から実現出来ない会社が多いように感じます。
⑤については、基準法をクリアするレベルの会社も少なくありません。
⑥には注意が必要であり、知識の乏しい設計師は南面の開口部をやたら大きくしたがり耐力壁不足になりがちです。
もちろん私達は①~⑥までを満たした構造体を造ります。
よく聞くお話ですが「うちは4寸角だから丈夫なんだよ!」というのがありますが、これは昔話と捉えた方が良いでしょう。
いくら柱が太くても垂直荷重には有利なものの地震などの横揺れには柱の太さなどほとんど関係ありません。
むしろ、柱と梁や土台と柱の緊結部分を金物で補強し出来るだけ筋交いを配置した方が地震には有利になります。