断熱材を厚くすれば暖かくなるのか?
2021.02.14
住宅建築会社のアピールでこんなのがあります。
「当社は通常の1.5倍の厚さの断熱材を入れるので、冬暖かく過ごせます!」
「当社は断熱性能が1.5倍の発砲○○なので、冬暖かく過ごせます!」
本当にそうでしょうか?
答えはNOです・・・
その理由は、1.5倍の厚さの断熱材を入れようが、1.5倍の性能を持つ素材を採用しようが、この点だけでは高断熱にはならないからです。
断熱材は断熱力という数値で比較しなければなりません。
断熱力=断熱厚さ÷熱伝導率
例
140ミリの繊維系断熱材(0.14メートル)
熱伝導率(0.042)
0.14÷0.042=3.3
断熱力は3.3となります
120ミリの発砲系現場吹付断熱(0.12メートル)
熱伝導率(0.036)
0.12÷0.036=3.3
断熱力は3.3となります。
上記の計算によると、140ミリの繊維系断熱と120ミリの発砲吹付断熱の断熱力は同じという結果になります。
つまり、厚さがどうの・・・素材がどうの・・・などと論じている業者は素人同然であり、全くナンセンスなのです。
こうした会社にはこんな質問をしてみましょう!
御社の断熱力はどのくらいですか?
御社の造る住宅のQ値とUA値を教えて下さい?
これらの質問に対し即答できる会社であれば、信用できるかもしれません・・・
断熱力だけでは、快適な室内空間にはなりません。
①断熱力
②気密力
③換気の方法
④輻射熱
①~④までがセットで高いレベルでないと高性能住宅とは言えません。