その広さは必要でしょうか?②
2020.12.14
前回は必要最小限の家についてお話しました。
今回は、LDKは広ければ広い程良いのか?という問題についてお話します。
「どうです!LDKは30畳以上です凄いでしょう!」とアピールする業者も存在します。
私は、こうした住宅を「だから何???」と感じてしまいます。
その理由は、広すぎると人は落ち着かないと感じるケースがあるからです。
狭すぎるのは問題ですが、どんな住宅にもジャストな広さというものがあります。
例えば、ソファーからテレビまでの距離が離れ過ぎているのも問題でしょうし、ダイニングテーブルの周りが広く空いているのも無駄なスペースだと感じます。
上記のような広さではなくソファーからテレビまでの距離はベストな近さにして、ダイニングテーブルのまわりもジャストな余裕にすれば、これ以上広く設計する必要はありません。
予算を一切気にせず家を設計するなら、ある程度広くするのもアリですが、私は何でもかんでも広くするのはナンセンスだと考えています。
小さく建てて広く感じるのが賢い家造りなのです・・・
実験棟のリビングです。
このリビングは8畳ですが、玄関ホールや廊下と一体になっているので、とても広く感じるので8畳には感じません。
反対側から見ると確かに8畳のスペースに見えますが、向かって左側の奥は書斎スペース、右はダイニングにつながっているので広がりがあります。
書斎側から見ると階段や廊下、奥はダイニングとつながっており、全く狭さを感じません。
上から見ると8畳のスペースは決して広くないものの、各スペースとつながっているので窮屈さを感じない設計になっています。
広く設計するのは3流の建築師!
狭さを感じさせない設計をするのが1流の設計士!