内装材の表面温度
2019.07.24
高気密高断熱住宅の欠点と言えば、室内の内装材が蓄熱してしまう点です。
実はこの欠点は、冬季には有利になります。
室内を暖房し室温が上昇すると内装材が蓄熱するので、室温が下がり始めると内装材から熱が放熱し、室温が下がるのを防ぐ効果があります。
しかし、夏季には欠点になってしまうのです・・・
室温をエアコンで低く保てれば良いのですが、一旦室温が上昇したり屋外からの熱の侵入により内装材の温度が上昇してしまうと、いくら室温をエアコンで下げたとしても暑く感じてしまうのです。
つまり、夏季はデメリットであり冬季はメリットがある訳です。
この点を理解している建築人は少なく、性能について相当勉強していないと気が付かない点でもあります。
私はこの問題について約15年前から取り組んでおり、上記の問題を解決して工法を取り入れています。
それは、内装材と断熱材を密着させない工法です。
床1面・壁4面・天井1面の計6面の内装材と断熱材の間に空気層を設けています。
こうする事で夏季は内装材の温度が上昇しないよう空気層で排熱し、冬季はこの空気層を利用して暖房出来ます。
文章にすると分かりにくいので、当社実験棟で現物をご覧いただくのが一番です。
この時期でも2階にあるエアコン1台で家を丸ごと冷房しています。
実験棟の室温は、エアコンガンガンの冷え冷えではありません。
25℃~28℃でエアコンを運転しており、さほど室温を下げていませんが、内装材の温度が高くないので暑く感じないのです・・・
室温をそれ程下げなくても涼しく感じる家の造りになっています。
この夏にぜひご体感下さい。