断熱強化だけでは問題を解決出来ない!?
2019.07.8
現在国内で建築されている住宅のほとんどが高気密・高断熱住宅であり24時間換気システムが設置してあります。
開口部も断熱サッシにペアガラス程度が採用されているケースがほとんどなので、住宅の性能は20年前に比べ飛躍的に向上しています。
しかし夏季になるとエアコンを運転しても暑さを感じる住宅は存在します・・・
この理由を答えられる住宅建築業者は数多く存在しません。
夏季にエアコンを運転しても暑く感じる理由は、ズバリ室内6面からの輻射熱です。
高気密高断熱住宅のメリットは、冬季に一度室内を暖めると内装材が蓄熱するので、室内の空気の温度が下がっても内装材から輻射熱が放出され暖かく感じるのです。
上記は冬季なのでメリットになりますが、夏季も同じ現象が起こってしまうのです・・・
つまり、夏季にエアコンを運転し室内の空気が冷えた状態でも内装材の温度が高いケースでは内装材からの輻射熱により暑く感じてしまうのです。
人の体感温度=(室温+室内表面温度)÷2なので、いくら冷房で室温を下げても内装材の表面温度が高ければ暑く感じるのです・・・
私達はこうした現象を約12年前に気が付き今の工法になりました。
それは、内装材の温度を下げるべく内装材の裏側に空気層を設けたのです。
床×1面・壁×4面・天井×1面の計6面の内装材の裏側には空気層が存在し、夏季に内装材の温度が上昇した場合、空気層から熱を排熱しています。
夏季とは逆に冬季はこの空気層には暖気が通るので、床下で暖められた空気は上昇気流により空気層を通過して内装材に暖かさが伝わり、その後室内へ熱が移動するので輻射熱による暖房になります。
高気密・高断熱住宅の夏季のデメリットを空気層を配置する事で克服しつつ、冬季には輻射式暖房出来る工法になっています。
私は家造りに関しては、考えて考えて考え抜くスタイルです。
元々高学歴でもなく、勉強も嫌いなタイプでしたが、家造りになると頭の回転は恐ろしく高スピードになります。
考えても結論が出ないケースも数多くありますが、答えが出るまで考え続けます。
頭の良し悪しではなく、頭をどう使うか?が重要なのです・・・