地震の揺れが少なくなる造り方
2019.05.21
木造在来工法の住宅の耐震性は、筋違いを配置する事で確保できます。
筋違いを採用する前の木造住宅は、別の方法で耐震性を確保していました。
神社や仏閣などは筋違いがありません。
しかし、何百年も前の木造建築物は現存しているのです。
なぜでしょうか?
こうした建築物は、いくつかの方法で耐震性を確保しています。
そのひとつに通し貫という部材があり、この部材により耐震性を確保しています。
柱に縦長の穴を開け、そこへ通し貫きを配置し柱と柱を一体化させる工法です。
この工法は、昔の農家や戦前や戦後間もない頃に建築された木造住宅に採用されていました。
私が生まれる前の工法であり、なぜ私がこんな事を知っているのか?とお感じの方もいるかと思います。
私の父は大工の棟梁であり、私が幼い頃から現場で大工の手伝いをしていた時に教えてもらいました。
また、古い木造住宅を解体する現場では、上記の通し貫きの建物を見る事もありました。
こうした経験を通じ、通し貫きとは異なりますが、通し貫きの効果に近い工法を今の建物に取り入れています。
それは、建物の柱の内側に通気層を確保する部材が通し貫きと同じような効果があります。
柱と柱を横方向の部材で一体化させる事で耐震性が高まります。
もちろん筋違いも配置しますが、柱の内側に取付する部材も耐震性にプラスされています。