自動車産業も大苦戦
2025.05.27
昨日の日経に日産本社売却という記事がありました。
日産は今年大きな赤字決算を発表し7つの工場閉鎖や大規模なリストラに続く本社売却という状況です。
ホンダとの資本提携は解消され自社のみで経営再建に取り組んでいるようですが、出口はまだ見えそうにありません。
本社はリース会社に売却し日産が借りる事で本社の機能は維持出来ますが、企業が大きな赤字を抱えれば持っている資産は売却し現金化するのが鉄則です。
私達のような中小企業も例外ではなく、赤字になれば売却出来る土地や車の売却はもちろん人員整理などは当然行う必要があります。
会社経営者ならこうした動きは理解していますが、働く側から見れば「何でそんなに現金が必要なのか?」と感じるかもしれません。
しかし、現実的に赤字の企業が銀行融資を依頼するといつもは「多少の赤字でも融資出来ます」と言っていた銀行担当者も「今回は融資が厳しそうですね」と手のひらを返します。
私は過去に赤字決算を数回程度経験していますが、黒字の時は頻繁に顔を見せていた銀行の担当者も赤字になった途端全く来なくなりお金の借り入れに苦しんだ経験があります。
大手の日産とはいえ簡単に銀行融資がされるはずもないので、まずは売却できるものを処分する必要があるのです。
資産の早期売却の他には経営陣の引責辞任も問われる可能性があります。
世界経済がどのような景気であろうとも企業が赤字になれば経営陣は何らかの責任を取る必要があります。
大幅な役員報酬の減額により会社に留まれればまだ良い方ですが、引責辞任するケースが大半です。
働く側から見れば「別に辞めなくても良いのでは?」と感じるかもしれませんが、これも会社経営者の宿命だと考えるしかありません。
雇われ経営者は責任をとり退職すえば終わりですが、創業経営者となれば個人の資産は全て没収され一文無しになっていまうのです。