住み心地という価値観
2022.06.9
今から約25年前、私は住宅造りを始めました。
当時の住宅と言えばこんなスタイルが主流でした。
輸入住宅
ツーバイフォー住宅
ハウスメーカーの造る鉄骨系ユニット住宅
など輸入住宅系やハウスメーカーの住宅が目立つ時代でした。
私はこうした住宅建築業界は今後どのような業界になるのか?を約1年間考え続け、国内にある住宅建築会社のパンフレットを片っ端から請求しました。
その数100・・・200以上あったかもしれません。
同業他社のパンフレットを見ながら「確かに見た目はいいけれど、これが本物の住宅なのか?」という素朴な疑問の回答は出ないままでした。
私は当時大工として現場で働いていたので、作業の休憩時間にパンフを開いて情報を得ていました。
そしてある日ある人と出会いました。
この人は当時こんな話を私にしてくれました。
「化石燃料は枯渇します、これからの住宅は省エネである必要があります」
「省エネ住宅は、高性能なので住み心地は抜群に良いのです」
「ウレタン断熱と樹脂サッシペアガラス、24時間換気システムを取り入れれば、上記の住宅が出来ます」
私は「その住宅は、どこで建築されていますか?」と聞きました。
「はい、北海道の札幌で建築しています」
という事で私は北海道へ行き、その住宅を見て体感し建築する事を決めたのです。
これが高性能住宅造りを始める弊社のルーツです。
つまり、住み心地という価値観が一般的ではない時期に「これだ!」と私は感じました。
当時、「住み心地が良く省エネな住宅です!いかがですか?」と説明しても「住み心地???」「省エネ???」と話が通じない時代だったのです。
あれから25年・・・
住み心地や省エネというワードは市民権を得ました。
というか、こうした住宅が主流の住宅建築業界に変わったのも事実です。
起業して間もない頃は、私が造る住宅に対し同業他社は冷ややかな目で見ていたのを記憶しています。
「アイツ、あんな家を造ってるけど頭が狂ったんじゃないか?」と感じていたかもしれません。
しかし私は本気で高性能住宅を造り続けました。
時間は流れ、時代は変わり私が考える住宅に価値があると感じる人達が増えました。
そして、政府もゼロエネ住宅や高性能住宅を推進する時代に突入したのです。