設計費と設計監理費
2021.08.1
今回は住宅業界の設計費と設計監理費の裏話をします。
住宅を設計する方法は大きく分けて2つです。
①住宅施工会社が設計する
②設計事務所が設計し施工は別の会社が行う
ハウスメーカーや私達は①のケースであり住宅の設計はほとんど①のケースとなります。
②のケースは設計事務所が設計し別の会社が施工します。
そして住宅を設計した設計事務所の報酬は建築費の10%前後になるケースがあります。
例えば建築費が3000万円の場合、設計費と設計監理費が300万円となり非常に高額と感じる方もいると思います。
しかし、300万円相当の設計力や設計監理力があれば何の問題もありませんが、費用に見合った内容になっているのでしょうか?
答えはYESとNOです
本来の設計監理とは、このような内容です。
施工業者から提出されるの施工図チェック
鋼材などのミルシートの確認
コンクリートの試験体を採取し破壊試験する
配筋検査や構造材のチェック
鉄骨や木造軸組みの原寸検査
加工工場の視察や加工チェック
気密測定や風量測定
などこの他にも数多くあり、ここには書ききれない程の内容が本来の設計監理です。
しかし、住宅建築を設計監理する者は上記の内容をほとんど行っていないケースもあります。
何をしているかというと現場を見ているだけです。
現場へ行き「工程通りに進んでいますね、何か問題ありますか?」とこんな感じです。
これで設計費と設計監理費が300万円・・・
私はゼネコンに勤務していた経験があるので、大型の建築物の設計者が様々な設計監理をする様子を見てきました。
しかし、住宅は大型建築物の設計監理とは全く異なります。
ここまで説明しても設計事務所に設計依頼する方もいるでしょうが、現実的にはこんなお粗末なケースが少なくないのです。
全ての設計事務所に問題がある訳ではありません。
住宅の性能にこだわり地域の気候に適した設計をし、設計監理もしっかりと行い適正な設計料を提示する会社も存在します。