社内のすったもんだを乗り越えて
2020.05.10
昨年の秋頃にあったお話ですが、お付き合い下さい。
この頃、社内ではある問題が起こりました。
1人の男性社員が会社を退職したいと言うのです。
そうすると、その上司も自分の仕事の負担が大きくなるので困ると言い出しました。
更にその上司も部下がいないと自分の負担が増えるので、退職するのを避けて欲しいと言い出したのです。
この退職問題については、社長が問題点の改善を行ったので退職者は出ませんでした。
しかし、こうした社員の言い分を全て社長は聞いていましたが、心の中では激高していたのは間違いありません・・・
激高した理由はいくつかありますが、誰ひとりとして「誰が辞めても俺はやりますよ!」という社員がいなかった点にあります。
きっと「あいつがいなくなったら仕事が増えて困る」という考えの社員達に落胆もしたでしょう。
そして社長はある決断をしました。
3人の社員がいなくなっても会社が運営出来る体制を築こう!と考えたようでした。
つまり、3人分の仕事を自分が担当する!と腹を決めたのです。
もちろん社長1人で3人分の仕事をする事も不可能ではありませんが、女性スタッフと仕事をシェアし社長自身が動く体制に切り替えたのです。
結果的に3人の社員の仕事量は激減したのは言うまでもありません・・・
私達の会社は一般的な会社と異なり、自分の給料は自分で決める会社です。
年俸交渉時に「私は来年これこれをしかじかやりますから、この給料を下さい!」と社長に交渉します。
そして、仕事内容と給与を擦り合わせ契約が成立します。
しかし、3人の社員の行動や言動は前年に交わされた契約内容と大きな乖離があったのは事実です。
つまり、自分が言った内容を履行出来なかった訳です。
社長が激高するのも当然であり、3人の社員の仕事を取り上げたのも当然の行いと言えます。
悩みに悩んだ末の決断だったようですが、これが会社経営者の宿命でもあるのです・・・
3人の社員のうち今後何人が残るのかはわかりませんが、今年は様子を見るようです。
仮に会社にとって必要だと判断されれば来年も継続採用するでしょうし、必要ないと判断されればお別れのケースもあります。
非常に厳しい雇用体制ですが、やる気が漲っている社員には最高の職場です。
やればやっただけの報酬が得られる反面、やる気のない社員は1人も必要ないのです・・・
私は、社長の考えも理解出来ますし、社員の言い分も理解しています。
しかし、今回の一件で雇用する側と働く側の距離が大きく離れたのは間違いありません。
このような社内の問題を公開する会社は皆無ですが、私は良い所も悪い所も公開する裏表のない経営者でありたいと考えています。