大工の経験者でないと知らない事
2019.05.20
住宅を設計する上では、耐震設計は重要です。
木造住宅の場合、在来工法では筋違いを配置して耐震性を高めます。
建築基準法をクリアする筋違いを配置すれば法律上は問題ありませんが、私の耐震設計は異なります。
建築基準法上での筋違い量をクリアするのはもちろんですが、私は更に筋違いを追加します。
どの位追加するかと言うと、約1.5倍の量の筋違いを配置します。
更に筋違いを配置する柱と柱のスパンも910間よりも1820のスパンになるよう柱を配置します。
筋違いは、柱と柱の間に入れますがスパンが910よりも1820の方が筋違いの角度が横揺れに効果的になるので、出来るだけ柱のスパンを広く取ります。
910の柱間に入れるケースもありますが、たすき掛けという方法で2本の筋違いを交互に配置します。
特に1階は耐震性を高めた方が良いので、1階には多くの筋違いを配置します。
こうした考えは、現場経験のない設計者にはわかりません。
私は現場で大工の経験をした事があるので、一般的な設計者と耐震設計の考え方が異なるのです・・・
筋違いという部材は、完成しては見えなくなってしまいます。
しかし、いざ地震が来た時は強い味方になります。
見えない所こそ住宅では大切な部分だと考え、耐震設計を行っています。