人工乾燥と自然乾燥
2022.04.9:
現在住宅建築で使われる木材の大半は人工的に乾燥させて木材です。
乾燥した木材の定義は含水率18%以下とされています。
山から木材を切って屋外に放置しても、含水率18%以下にはならないので人工的に乾燥する必要があります。
人工乾燥とは、高温にした炉の中へ木材を一定時間入れ含水率を下げるものですが、炉の中を高温にするには灯油などの化石燃料を燃焼させる必要があります。
この化石燃料を燃やす事で炉の内部は高温になるので木材は乾燥しますが、CO2の排出という問題もあります。
これに対し自然乾燥は、書いて名の通り木材を自然に乾燥させる方法です。
山で木材を伐採した後、枝や葉をつけたまま数か月放置します。
こうする事で枝や葉へ木の幹から水分が移動し蒸発します。
これが葉枯らし材と言われている木材で、ある程度の含水率まで下げる事が可能です。
この後、日陰に積んで時間をかければ利用可能です。
日陰に置く理由は、急激な乾燥を避ける為であり、急激な乾燥は木材の狂いやヒビを誘発する可能性が高いのです。
人工乾燥材と自然乾燥材のお話をしましたが、現在流通している木材の大半はCO2を排出する人工乾燥材なのが現実です。
脱炭素社会にはマッチしない旧来の乾燥方法になるので、今後自然乾燥材が普及する日が来るかもしれません。