性能と住み心地
2023.07.21
住宅を建てる時に良く耳にする高気密、高断熱、高性能な家という言葉があります。
性能が低い家より性能が高い家の方が住み心地がよく、省エネに暮らせて電気代が安く済む。
と皆さんお考えかと思いますが、実際はそうとも限りません。
前提として、高気密、高断熱と言っても明確な基準はなく、実際にどのくらいの数値なのかを確認する必要があると考えます。
性能の値はおおむね以下の3つで判断できます。
①C値(隙間相当面積の事で気密性の基準値)
家全体でどのくらい隙間があるかを示すもので、数値が小さいほど隙間が小さく、気密性が良いということになります。
1.0cm2/㎡以下が高気密と言われています。
当社の建てる家は平均0.5~0.3cm2/㎡です。
②Q値(熱損失係数の事で断熱性能の基準)
家の熱の逃げにくさを示したもので、数値が小さいほど断熱性が高く、省エネ性能が高いと言えます。
Q値は少なくとも1.6W/㎡K以下、できれば1.0W/㎡K以下であるのが理想と言われます。
当社で建てる家は1.0W/㎡K以下です。
③UA値(外皮平均熱貫流率の事でこちらも断熱性能の基準)
中と外の温度差が1度あるときに、家全体で外皮(窓や屋根、外壁など、屋外の空気に触れている部材)1㎡あたり、どのくらいの熱が逃げるかを示したものになります。
数値が低い方が優れています。最近はこちらの値を基準にする事が多いです。
ちなみに一般財団法人建築環境・省エネルギー機構では群馬県のUA値省エネ基準は0.87W/㎡・Kとされています。
そしてゼロエネルギーハウスの基準値は外皮熱貫流率UA値は0.6W/㎡K以下とされています。
当社で建てる住宅ではそれをさらに上回る0.4~0.3W/㎡・Kの住宅はほとんどです。
まずは、本当に高性能な家なのか確認が必要ですね。
そして仮に高性能な家だったとしても、換気方法や種類、断熱方法や種類、通気の方法、冷暖房の方法、日射取得の方法、間取り等々の様々な家の造り方により快適で省エネに暮らせるかが決まります。
机上の空論で数値だけ良かったら快適に過ごせるなんて思ったら大間違えです!
高性能な家で真冬に室内のエアコンを稼働させれば、低性能な家より効きが良く、長く暖かさを保てますが、エアコンの音や風や乾燥が不快に感じるでしょう。
また、エアコンをしていない廊下や部屋は暖かくなるでしょうか?
ではエアコンではなく、イニシャルコストが高い床暖房や全館空調はというと、実際は電気代の請求を見てビックリする事でしょう。
夏場も同様でしっかりと考えられた工法で施工されていないと、逆に室内に熱がこもってしまうなんて事もよく聞く話です。
ではオカケンはどうなの?
という事になりますが、今まで施工してきたお客様の生の声をしっかりと聞き入れ、自らも実際に住んでいる経験を活かし、何度となくマイナーチェンジを繰り返しながら今のオカケンホームの家造りがあります。
性能値では表せない真の快適さとエコな住宅を目指して今現在も進化中です。(既にほとんどゴール間近ですが)
高性能な家であれば快適で省エネな家とは限らないのです。
tanaka