売れる理由
2022.08.26
以前、買い物に行った際のお話です。
このお店には2~3ヶ月に1度くらいのペースで行っていますが、特にこれが欲しい!と言ったものがある訳でもなく、新しい刺激を求めてお邪魔しています。
このお店には洋服の他にも店主さんがセレクトした沢山の商品が売られています。
今回お伺いした際は珍しくお客さんは私1人でしたので、マンツーマンで店主さんに対応して頂き、まずバイク用のヘルメットを被りました。
サイズがMとLがあり両方試着してみましたが、試着が終わった後に「どちらが良かったですか」と聞かれました。
一瞬で「あっこれは!」と心の中で思い、返答は「うーんそうですね。。。」と明確な答えを伝えませんでした。
おそらく、ほとんどのお客様は自分にフィットした方を「Mですね!」などと伝えると思うのですが、実はこれも立派な営業手法の1つで
例えば普通の店員さんなら2つ試着した後に「いかがでしたか?」などと聞きます。
そうするとお客様の判断は 買うか 買わないか という判断になります。
しかし、どちらが良かったかを聞くと MかLかを答える事になり、お客様の気持ちの中で買う前提でサイズの判断となります。
流石だなーと感じました。
(なかなか高価なものですので今回は購入を控えました。)
次に私は財布を15年以上使っていて、いつかは買い換えたいなーと思っていたので置いてあった財布を見ていました。
コンパクトな財布で扱い易そうで、見るからに良い革を使っていて、色合いも好みでした。
値段は15,000円前後で「どうするかなー」と悩んでいると、店主さんが財布の説明をしてくれました。
内容は作り手の人柄やどんな気持ちで物つくりに取り組んでいるか、またどんな革で出来ているのかなど、どれも素晴らしい内容で購入意欲が増しました。
説明が一通り終わると店主さんは少し離れ、お客様の最終シンキングタイムとなります。
数分後にまた近くへ歩み寄り、最後の一言を掛けて来ました。
「そういえば今日は一粒万倍日ですね。財布を変えるのには最高の日ですよ」と言われました。
そうなんだ、「よし買おう!」と思いました。
その後、続けて「1年に何回かしかない特別な日なんですよね」ともう一言。
私は職業柄、日にちをすごく気にしていて、大安、仏滅などはもちろん一粒万倍日や三隣亡や天赦日などについても知識があります。
一粒万倍日は毎月3~5回程度あり、年に数回しかないのは一粒万倍日と天赦日が重なる日だと知っています。
そこで少し気持ちが冷静になり今回は財布も購入を見送る事にしました。
今回はそれ以外の数点の品物を購入させて頂き、今回のやり取りについて考えながら帰路につきました。
あらためて、やはり売れているのには理由があるのだなーと思いました。
もちろん物を売る勉強もしていると思いますし、説明の内容や間の取り方や声のトーンなど素晴らしいと感じました。
買い物は物を買いに行くのが趣旨ですが、毎回このお店に行くと買い物以外にも沢山の気付きがあるのは驚きです。
当社では営業はしていませんが、初めてお会いした方に分かり易くご説明をしたり、なるべく良い印象を持って頂く為に努力は怠りません。
来社された後の帰り道に、ご夫婦で「オカケン良かったねー」と言って頂けるように常に最善を尽くしています。
tanaka