かつて景気の良かった会社が・・・
2021.05.19
私が今から15年くらい前に働いていた会社が、経営危機に陥っています。
当時はとても業績がよく、入社してすぐに東証一部に上場しました。
社員はみな若く勢いがあり、キラキラ輝いているように見えました。
若くても仕事のできる優秀な人材が多く、稼いでいる営業マンは20代で支店長になり年収2,000万円以上もらっている人も少なくありませんでした。
しかしその反面、これでいいのか?と思う部分が沢山ありました。
・営業社員は相手に迷惑がられているアポ電を毎日何十件もかけている
・会議前は夜中の1時2時まで残業し会議資料を作成する ← 私の仕事でした
・建築している建物の壁が薄いので隣の部屋の音が聞こえるというクレームが多くあるが改善されない
・成績を達成すると支店全員で無料の海外旅行にいける(現地でのオプションも全て無料)
などなど
傍から見たら業績のよい会社の内部はまるで軍隊のようで、上司に詰められた営業マンが、ノルマの重圧と歩合給欲しさに必死に働いていました。
私は営業職ではなかったので辛そうな営業マンに、もう辞めて他の仕事したら?と何度も言った記憶があります。
なぜ営業マンは売れずに苦労するのか?
答えは簡単で、良質な商品を売っておらず、営業マンの熱意としつこさのみで契約を取っていたのです。
その為、お客様の方からの問い合わせは全くなく、知人からの紹介で契約するお客様もいませんでした。
会社は売り上げだけを重視しているように感じていました。
そこで働きながら、この会社の将来はどうなるんだろう?と常に不安があり、妊娠をきっかけに退職しました。
驚いたことに、当時一緒に働いていた人たちが今も沢山その会社に残っています。
経営が傾いてきた数年前に希望退職者を募集したようですが、そこでも辞めなかったようです。
きっと今の労働環境は、当時よりもっと辛く厳しいのではないかと想像しています。
毎日何を思い、どんな気持ちで働いているのか?
もし会う機会があれば聞いてみたいと思っています。
景気が良かった時の会社の内部事情を知っているからこそ、経営危機に陥っていてもそれほど驚きません。
やっぱりそうなったかぁと思うくらいです。
当時20代の私がわかっていたのに、トップにいる人達は儲かりすぎていて冷静に自分の会社が見れなくなってしまっていたのでしょうか?
とても不思議でなりません。
あの頃気付いて方針を変えていたら、今のような状況になっておらず、違った未来になっていたはずです。
お客様の為に良いものを提供する
それが一番大事だという事を、辞めてから今までの長い年月をかけて古巣の会社から学ばせていただきました。
kuribara