職人さんによく怒られた。
2021.05.8
私は東京の専門学校を卒業し、群馬に帰ってきて21歳の時に就職しました。
その時の仕事は主に建築関係の自社製品の設計施工を行う仕事で、主には現場監督業務でした。
その会社では8年間働いていましたが、日本全国出張ばかりで、すべての現場は突貫工事でした。
基本的には朝8:00~20:00を1~2週間続けて終わり次第、群馬へ帰ってくる感じでした。
時には朝4:00頃まで働いて、仮眠を取り、また8:00から仕事なんて事も多々ありました。
会社からは私1人で、職人さん10人前後を私が運転するバスに乗せ、北は北海道、南は鹿児島まで行きました。
遠い地で、現場内に缶詰状態ですので本当に辛く地獄の様でした。
現場での問題は常に発生します。
他社との揉め事や職人さん同士の喧嘩や現場でのケガ、私への不満など今考えてもゾクゾクするくらいです。
現場では立ち振る舞いや話の仕方、声の大きさやトーンについてなど色々な事を学び、段取りなどについて職人さんからよく怒られました。
旅館へ帰ると夕食と共に職人さんへお酌があり、一緒にお風呂に入った後に部屋に呼ばれ毎晩の様にその日のダメ出しを聞き、お酒を浴びる様に飲みました。
翌朝は誰よりも早く起き、現場の飲み物の段取りや道具の用意などをしてバスを旅館の前につけて待機します。
くどい様ですが、本当に職人さんからはよく怒られ、そしてたくさんの事を学びました。
縁あって29歳の時にこの会社に出会い入社をしました。
入社後2年間は現場で職人さん(大工さん)と一緒に仕事をしました。
これもまた良い経験で、実際に今までと真逆の立場になった訳ですから、職人さんの気持ちが良く理解できました。
今でも職人さんから注意を受ける事もあり、技術面や段取りについて常に学びを得ています。
「若い内は買ってでも苦労しろ」とよく言いますが、若い頃の経験が今とても役に立っていると感じています。
tanaka