失敗からの
2021.03.21
友人からの仕事の依頼は、経営しているお寿司屋さんの店舗改修工事の依頼でした。
よし!やっと会社へ貢献できるぞーと思い、私はすぐにその事を社長へ伝えました。
今回の工事は予算が決まっており、上限がありましたが大まかに積算をした結果、問題ないと判断し工事をする事になりました。
基本的にはお客様と社長と私の3人で打ち合わせをするのですが、店舗という事もありデザイナーさんにも入って頂きアドバイスなど受けながら進行していきます。
社長のイメージでは銀座などにあっても遜色が無い様なお店にして、プロが見ても驚く造りにしたいと言っていました。
打ち合わせを進めて行くとお客様からの色々な要望が出てくるのですが、それに輪を掛けて社長の提案が多く、私は予算の事ばかり気になってしまい、打ち合わせが終わる度に、計算機をはじくのが恒例になっていました。
仕上げの打ち合わせをしている時に、普段使用しないクロスのカタログが出現しました。
このカタログは非常に高価なクロスが載っている物で、なんとすべてのクロスをこの中のもので提案していました。
そして、柱を8本設置するのですが、「俺が選んでくる」と社長自ら材木屋さんと打ち合わせをし、杉などの何倍もする様な高額の欅の柱を使用する事になりました。
現場始まると、柱に敷居と鴨居を彫り込んで差し込みようにと指示が出ました。ただでさえ工期が短い中、大工さんは「本当に彫り込むの?すごい手間が掛かるよ!」と渋っていたのを思い出します。
結局クロスは高価なものにして部屋ごとにすべて色を変え、お客様が何度来ても新鮮な気持ちで居られる様に考慮しました。
あまりにも高価で売れないクロスのようで、在庫がなく北海道から九州まで色々な場所から取り寄せて施工しました。
とても大変な工事でしたが、仕上がってみると赤茶色で統一された店内は間接照明で綺麗に映し出され、まるで銀座の料亭の様な仕上がりとなりました。
※銀座の料亭は行った事はありませんが(笑)
最終的に金額をまとめてみると、ほぼ利益が無い状態でした。逆に社長や私が動いた分を考えれば赤字かも。。。
社長へその事を伝えると「仲間の店なんだからイイじゃん。良い店が出来て良かったね!」と言われました。
少しでも会社に貢献しようと思い取り組んだ仕事でしたが、ほとんど貢献が出来ないという事になってしまいました。
もちろん友人は大喜びですごく感動していました。私もとても嬉しくなりました。
しかし、いつになったら会社へ恩返しができるのやら。。。
tanaka