眠れない夜
2020.09.12
時には眠れない夜もあると思います。
以前にも一睡も出来ない夜がありました。
ある店舗の改修工事を担当した時の事でした。
当社では住宅の工事がメインなので、店舗の工事とは色々な部分で勝手が違います。
消防や保健所の検査など住宅にはない特別な検査などがあるのです。
工事をしたのが街中のビルのワンフロアだったこともあり色々な制限や法律がからんでいました。
階段室とホールの境に防火扉を設置しなくてはならなかったのですが、全く知識がなく、自分なりに調べてもどのような扉をどのように設置すれば良いか、などはっきりとした事が分かりませんでした。
また、防火扉はどこに注文すればよいのか分からない事だらけで不安になっていました。
オープン日も決まっており、考えれば考えるほど「早くしなければ!」と焦り、平行して進めている新築工事や小工事の事まで含め頭の中がドキドキと音を立てている様な不安な気持ちでいっぱいでした。
家に帰ってもその事がずっと頭から離れる事はなく、ベットに入っても不安な気持ちで考えれば考えるほど眠れなくなってしまい、そのまま朝を迎えました。
翌日、上司へ相談するとこのように言われました。
「悩みは2つしかなく、どうにかなる悩みと、どうにもならない悩み」
「どうにかなる悩みはどうにかすれば良いし、どうにもならない悩みは考えない事」
私の悩みはどうにかなる悩みだったのでどうにかすれば良かったのです。
そして悩みや不安の根本は曖昧で分からない事によって発生しているので原因を明確にして、それに対処をすれば不安ではなくなると考えました。
冷静になって考えてみると、実際に検査に来る消防へ直接聞いてみれば良い事に気付きました。
その日の内に管轄の消防署へ行き、図面を見ながら打合せをし明確な答えをもらいました。
それにしたがって店舗を専門でやっている業者さんに相談し対処をすることが出来ました。工事はたまたま昔から知っている職人さんにお願いし、無事に切り抜ける事が出来ました。
今考えれば、こんな小さな事だったのですが、その当時は気が気でありませんでした。
乗り越えてみれば小さい壁だったのかもしれませんが、目の前に現れる壁は毎回かたちを変え、そして大きくなっていきます。
逃げる事もできますが、必ずまた逃げた先で同じ壁にぶつかります。
私ごとではありますが、先月で40歳になりました。2回目の成人式です。これからも大きな壁から逃げずに登っていける様に精神と体力を強化していきたいと考えています。
tanaka