薪ストーブは必要なのか?
2024.03.1
私は8年前に自宅を建てました。
入社した時は、事務所のアメリカンな家に憧れて「いつかはこんな家を建てるぞ!」と意気込んでおりました。
しかし、私が建てた家は太陽光発電システムを20kw搭載した片流れの家でした。
太陽光パネルを屋根一面に設置した事で薪ストーブの煙突を出す場所がありませんでした。
仮に太陽光パネルを減らして煙突を設置する事も可能でしたが、煙突が太陽光パネルへ影を落とし、減らしたパネル分以上に発電に影響が出てしまう為、やはり諦めざるを得ない状況でした。
実際に生活をしてみると冬場は薪ストーブが無くても全く問題なく生活が出来る事が分かりました。
薪ストーブを設置しているお客様と話をすると、調子に乗って薪を入れ過ぎるとすごく暑くなって冬場に窓を開ける事もあるそうです。
奥さんに「もう薪を入れないで」と注意されるとか。
薪ストーブの最大の懸念点は薪の調達にあるのではないでしょうか。
当社では現場で出る端材を箱に入れ会社で保管しているので、それを自由に持って帰ってOKなのですが、やはり建築端材を燃やすのと原木の薪を燃やすのでは雰囲気が違いますよね。
比較的こだわりの強い方が薪ストーブを設置しますので、ちゃんとした薪を燃やしたくなるのではないでしょうか。
そうなると、どこかで薪を調達する必要があります。
薪を購入する事も可能ですが、購入すると非常に高価な暖房器具になってしまいます。
(ホームセンターなどでは一束1,000円前後、2日で終わります。軽トラ1台分で購入すると2~3万円が相場となります。)
その為、どこかで薪をもらえれば、引取りに行って、家で薪割をし、保管し、乾燥させるという手間の掛かる方法がベストのような気がします。
1万円程度でパネルヒーターが買える事を考えると、とても労力が掛かる暖房器具と言えるでしょう。
では、「もし次に家を建てるなら薪ストーブは設置しますか?」と聞かれると答えは「YES」です。
なぜなら、私は夜な夜な薄暗い部屋で揺らめく炎を眺めながらロッキングチェアーに座りロックグラスに注がれたウィスキーを飲むのが夢だからです。
最後にまとめですが
薪ストーブはオカケンの造る家には「暖房器具」としての必要性はありませんが、人によっては必要とする人もいます。
冬場の停電時などには最高かもしれません。
また、近隣に住宅が密集している所では煙の問題もあるので注意が必要かもしれません。
設置費用は選ぶメーカーや煙突の長さ形状・仕様にもよりますが、おおよそ100~150万円です。
もし、将来的に入れる可能性がある場合は最初のプラン時に設置できるような間取りにしておき、煙突だけでも取付けておくと良いでしょう。
私にとって薪ストーブは薪を確保する労力等を考慮しても、その分の価値がある嗜好品なのかもしれません。
tanaka