簡単にはできません。
2024.02.2
早いもので、新年が明けてからもう1ヶ月が経ってしまいました。
当た前ですが、これをあと11回繰り返すと今年が終わってしまいます。
目標を立てて、日々少しずつそれに向かって進歩していきたいと思います。
さて、今回のタイトル「簡単にはできません」ですが、何の話かというと住宅の基礎についてです。
当社では12年前から基礎の一体打ちという工法を採用しております。
しかし、一般的な基礎はまず耐圧盤という下の平な土間を打設し、数日後、その上に枠を組んで立上り部分を打設します。
2回に分けてコンクリートを打つので、耐圧盤と立ち上がり部分は鉄筋で連結はされているものの、それぞれが別体となります。
メリットとしては簡単に施工が出来て金額も安い。作業人数も少数で施工可能。
デメリットは耐圧盤と立ち上げりにジョイント部分がある為、強度が弱いのと隙間が空いてしまう可能性があるので、そこから水や虫などの侵入の可能性が出ます。
当社では一体打ちを採用する前には上記の一般的な工法の基礎でした。
しかし、デメリットをカバーすべく、鉄筋の数を増やしたり、耐圧盤と立ち上がりの間に鉄板を入れ、隙間が出来ない様に施工をしていました。
他社でもその様な配慮をしている建築会社もあるのかな?と思い、基礎屋さんに聞いてみると「そんな手間を掛けているところは1社も無いよ!」との事で自社のこだわりの強さに驚きました。
最近では一体打ちの基礎を採用している建築会社も増えてきていると耳にしますが、実際、基礎屋さんに聞いてみるとほとんどないそうです。
その理由は、一体打ちが出来る基礎屋さんが少ないのと(技術面と人数面と失敗した時のリスク面で)、出来る業者さんが居ても費用面で建築会社が採用しない点が挙げられます。
当社の場合は元々、耐圧盤の上に布基礎を施工するのではなく、空気が床下にまんべんなく循環するように特殊な独立基礎という基礎形状をしていました。
その為、一体打ちをするのには適した造りでした。
しかし、特注の金物を製作する必要があったり、枠の補強の仕方や強度についてを検討したり、コンクリートを流す手順を検討したり、道具の使い方や、使う時間や回数などを何度も試行錯誤を繰り返すなどして、ようやく現在の工法が出来上がったのです。
打設したあとも暑い時期(6月~11月)は、冠水養生という基礎の中に水を張って急激に乾燥しないような特殊な養生方法を採用しており、こだわりは半端なものではありません。
一体打ちのデメリットは、コンクリート打設時に人数が必要になる点と費用面ですが、現在では効率よく作業が出来る様になりコンクリート打設も1度で済むのでそこまで掛からなくなりました。
メリットは基礎が耐圧盤から立上りまでジョイントなく一体型になるので強度が強いのと気密性が良く、虫や水の侵入の心配が無い点です。
これはとても大きなメリットですよね!
「何事も基礎が大切」と言いますが、基礎がしっかりしていないとダメなのは周知の事実だと思います。
当社では当たり前に基礎工事を大切にしております。
枠が外れ、出来上がった基礎は派手さは全くありませんが、静かに堂々と佇む姿はむしろ美しくすら感じます。
「やっぱりオカケンはこうゆーところが全然ちげんだよなー」と感じて頂ける様なこだわりがたくさん詰まった家をこれからも造っていきたいと思います。
tanaka